【2004】
青年法律家協会第12回人権研究交流集会・「生活安全条例」分科会 警察権限強化と市民相互監視の社会は住みやすい?
日 時:3月21日(日) 10時〜13時 場 所:早稲田大学西早稲田キャンパス14号館 (東京都新宿区西早稲田1-20-14) 参加費:500円
現在, 「治安の悪化(犯罪の増加と検挙率の低下)」が叫ばれる中で, 「防犯対策」「生活安全」「安全・安心まちづくり」の名の下に, 警察庁生活安全局と全国防犯協会連合会の主導により, 全国の自治体で制定が進むのが「生活安全条例(安全・安心まちづくり条例, 防犯条例など)」です. その数すでに全国で1400以上!
しかし, この条例には見逃すことのできない問題がたくさんあります. あいまいな規定の仕方(明確性の原則違反), 監視カメラ設置の奨励規定(プライヴァシー権・肖像権の侵害), 宣伝活動等の規制(表現の自由の侵害)などの憲法・刑事法上の問題や, 警察権限強化と市民の相互監視社会の到来…….
そこで当分科会では, この「生活安全条例」問題について, 以下のような構成で切り込む予定です. 「安全・安心まちづくり」ってうさんくさいなーと思っているあなた! 監視カメラの「増殖」に薄気味悪さを感じているあなた! 「生活安全条例」の本当の姿を知りたいあなた! ご来場をお待ちしております.
第1部 パネルディスカッション 『生活安全条例』をどう考えるか〜内容と問題点の検討
パネリスト : 石埼 学(亜細亜大学法学部助教授・憲法) 佐々木光明(三重短期大学法経科教授・刑事法) 田中 隆(弁護士・自由法曹団東京支部都政対策委員長) 司会 清水雅彦(和光大学)
第2部 質疑・各地からの報告・討論 『生活安全条例』にどう立ち向かうか〜対抗原理の追求
報告 各地からの報告
討論 パネリストを含めての全体討論
司会 清水雅彦(和光大学)川口彩子(弁護士)
参考URL 水島朝穂氏HP http://www.asaho.com/jpn/index.html 市民と憲法研究者をむすぶ憲法問題Web http://www.jca.apc.org/~kenpoweb/ 論説のページ
1月30日(金)午後6時30分から
ところ 渋谷区勤労福祉会館2階第一洋室
講 演
渡辺治(一橋大学教授)「2000年代の警察のめざすもの - 警察庁「緊急治安対策プログラム」の問題」
海渡雄一(弁護士)「冗談もいえない共謀罪」
参加費 500円
主 催 相談罪に反対する市民の集い実行委員会
連絡先 盗聴法に反対する市民連絡会
日本消費者連盟 TEL 03-5155-4765 JCA-NET(小倉) TEL 070-5553-5495
[目次]
Q1 共謀罪ってなに?. -- マンション建設反対運動も, 労働運動も, 一般市民が取締りの対象に
Q2 共謀を処罰するとどうなるのですか -- 治安維持法による言論弾圧,目的遂行罪の創設,治安維持法と同じスパイ密告の世界に
Q3 共謀したかどうかは, どうやって調べるのですか. -- いまの捜査では役に立たない,盗聴法のモンスター化,卑劣なスパイ横行
Q4 なぜ, 共謀を処罰してはいけないのですか. -- 人間の自由は限られた場合にしか制限できない, 刑罰にしばりをかける人権の力, 刑法の大原則では, 内心を狙う共謀罪
Q5 共謀罪ができると, どのような社会になるのですか.
[関連]
自由法曹団「共謀罪」対策プロジェクト 『「共謀罪」の創設に反対する』意見書 2003-07
東京都迷惑防止条例「改正」案の廃案を求める声明 2002-06-15
【〜2003】
最近, 刑事法関係者の中には, ある種の先入観から表面的な犯罪統計を取り上げて我が国の治安が急速に悪化していると主張している人がいますが, 犯罪統計をきちんと読めばそのような実態はありません. 犯罪学では, 犯罪現象を科学的にどう検証するのかを学び, 犯罪統計が正確に読めるようになってほしいと思います. また, 最近, 監視カメラの設置(監視社会)が社会問題化していますが, 犯罪学者としてこの議論を聞いていて気になるのは, プライバシーの問題に焦点が当てられ, 監視カメラが設置されるようになった前提としての治安の悪化や監視カメラの防犯効果が自明のこととされていることです. まず, 治安は本当に監視カメラが必要なほど悪化したのか, 監視カメラは防犯に効果があるのかがきちんと 議論される必要があると思います. 正確な情報分析なしに, 的確な法的解決もないはずです. 【「市民のために働く法律家」の魅力-8 浜井浩一】
本日がXデー, 武富士の創業者でありオーナーである武井保雄逮捕の日となった. 容疑は, 電気通信事業法違反(通信の秘密の侵害)である.
Xデーは来ないのではないか. 一抹の不安もないではなかった. 金力が権力と癒着し, 警察機構自体がたじろがざるを得ない事情があるのではないか. 警察との癒着の実態は, 発覚したビール券贈答ごときものではあるまい. 何しろ, 元警察の最高幹部が「顧問」として召し抱えられている.
この国の刑事司法は, 心配したほどには腐敗していない. 「武富士の闇を暴く」訴訟弁護団長として, その証しに乾杯.
サラ金とは, 多重債務という不幸を生み出す因果な商売である. その規模が大きいほど, まき散らす不幸も大きくなる. サラ金最大手の武富士は, 最大の不幸メーカーであり, そのボス・武井保雄の罪は深い.
言うまでもなく, 不幸の素は高利と過剰融資そして違法取り立てである. この不幸の3要素はそのまま裏返せば, 高収益を支える3要素でもある. こうして, 大規模に人の不幸を生みつつ, 巨額の収益を上げたのが, 武富士であり, 武井保雄である.
さらに, 武富士の急成長のウラには, 違法行為のオンパレードがあった. 貸金業務自体においても, 労務管理においても違法が指摘されてきた. 暴力団との癒着もあった. 権力機構との癒着も, である.
先月14日, 盗聴事件で専務が逮捕, 強制捜査がはいったときには, 武富士のホームページには, 次の釈明が載った.
「今回の捜査は, 中川一博被告個人の盗聴容疑に関わるものであり, 弊社は被告人の元の勤務先であるとして家宅捜索を受けたものです. 同被告の個人的犯罪とはいえ, 世間様をお騒がせ致しましたことは誠に申し訳なく, 心よりお詫び申し上げます. 幣社は今回の件をきっかけに, 再発防止に万全を期し, 情報管理及び社内規律の再徹底を実施致しました」
飽くまで, 他人事という態度である.
さすがに, 今度はそうはいかない. 社長名の次の謝罪となった.
「本日12月2日, 当社代表取締役会長 武井保雄が電気通信事業法違反(盗聴)の容疑で逮捕され, 本社及び武井会長の自宅が家宅捜索を受けました. 全く青天の霹靂であります. 私どもとしては一日も早く真相が解明されることを強く願っております. また, 当社は当然のこと乍ら, 捜査には全面的に協力して参る所存でございますが, 株主, 投資家及びお客様の皆様には多大の御心配をおかけいたし, まことに申し訳なく, 深くお詫び申し上げます」
捜査機関には, 武富士の膿の摘出を徹底していただきたい. 犯罪は単に盗聴だけではあるまい. 権力機構との癒着の構造にもメスを入れていただきたい. われわれは, 厳格にこれを見守っている.
午前中が「武富士の闇を暴く」弁護団会議. 午後が武富士問題連絡会議.武富士を強制捜査せよ, 武井保雄を逮捕せよ, 武井保雄は辞任せよ. ここまでは, 要求の通りに筋書が進んだ. いまや, 武富士は水に落ちた犬である. この不幸製造会社を, なお打たねばならない.
経営陣からの武井一族一掃を求める. テレビコマーシャル, 新聞・雑誌の広告廃止を求める. 日本経団連からの脱会, 東証の上場廃止を求める. 全ての言論弾圧訴訟を取り下げ, 謝罪広告を求める. 捜査機関には, 電話盗聴だけで幕引きしない徹底追求を求める. 特別背任, 横領などの追起訴あってしかるべし. 金融庁・野村證券・電通の責任追及もしなければならない. 追加の告発, 武富士と関連者への公開質問状発送などの方針を決めた.
「武富士の闇を暴く」は, 武富士の違法業務の実態を暴いた3弁護士の著作. 武富士はこの出版の差し止めを求め, 弁護士らに5500万円の損害賠償を請求している. 武富士の提訴が出版活動への妨害であり, 弁護士の人権活動への妨害でもあることが明白である. 違法・不当な提訴として反訴を提起することとして案文を練った. このような姑息な手段は, 結局高くつくことを思い知らさなければならない. 担当弁護士にも相応のペナルティがなければならない.
武富士は, 違法を積み重ねて財をなした. その財は, これに群がり, これにたかり, おこぼれの甘い汁を吸う連中を育てた. 私たちの社会は, このような違法集団の存在を黙認するのか, それとも浄化できるのか. 企業の暴走に対する民主的規制が可能なのかが問われている.
「闇」訴訟での武富士側の代理人が弘中惇一郎弁護士. 被害多発のオプション業者エー・シー・イー・インターナショナル株式会社の顧問でもある. 別件でも, 彼はこの不幸をまき散らしている問題業者の代理人となって, 被害者や被害者代理人弁護士を被告とする不当訴訟を提起している. この件では, 私も請求人となって彼を懲戒請求中だ. いや, 弁護士もいろいろ.
民主党はどのように対応するのでしょうね. ということで, 聞いてみました.
民主党本部総務局. 「本人が入院してしまっていて事情を聞いていない. 状況の推移を見守ったうえで対応したい」.
・・・「推移を見守るというと他人事のように聞こえるのですが, 民主党自身で調査を行なうのですか?」
・・・「入院中か退院してからか分かりませんが, 本人から事情を聞きますし, そういう意味で民主党として調査を行ないます. 」【問答有用 No.24877】
【路上の攻防】
シアトルやロンドン, そして東京・渋谷で, 若者を中心にした“反乱”が相次いでいる. 従来のきまじめな政治デモではない. DJやバンド, ダンスなどを動員した, 楽しくてカッコいいカーニバル, 路上のパーティーだ. 運動に組織や中心人物, ヒエラルキーがないのも特徴. いったい彼らはだれなのか. 著者は各国事情を手際よくまとめ, これらが都市の「空間」を大衆に取り戻す試みであることを喝破する …… (月曜社・1800円) 【朝日新聞書評 2004-01-11】reclaimthestreets.net http://www.reclaimthestreets.net/
Reclaim The Street / San Francisco Bay Area http://guest.xinet.com/rts/
URBAN75 : reclaim the street http://www.urban75.com/Action/reclaim2.html
Reclaim the Streets From Wikipedia, the free encyclopedia http://en.wikipedia.org/wiki/Reclaim_the_Streets
SchNEWS http://www.schnews.org.uk/
会議で,学級会で,喫茶店で,街頭で, 5人も集ればどこでも, 自分の意見を正面から表明するだけで, あっという間に孤独になれる国だったんだ, と反戦デモの一員になりながら思い出していた. 穏便な解決を何より重んじるこの国では, デモ隊は車線の一車線に押し込まれ, 小分けに分断され, 周囲を警官が取り囲み, 街から消されてしまう. それはテレビ画面の中でだけ存在を許される. しかしカメラは, 車道の残りの車線も無粋な制服姿の警官隊も歩道でカメラを構える私服警察官も決して映さないのだ. …… いま, デモ隊は日本社会の「他者」として社会の外側を歩かされている. そしてニュースのトピックとなって誰かの"情報"の一つとしてせいぜい"分析"の対象になっているだけだ. このデモ隊が, デモ隊の中の無数の「個人」が, 「他者」のままの姿で社会の内部に存在できる社会こそが, 私の生きたい場所だ. その社会に溢れるだろう猥雑さと豊かさと新たな孤独について想像しながら, 私はまたデモ隊の中の一人の個人として歩いてみたい. - 水越真紀「他者」としての反戦デモ 『NO!!WAR』p.50
【クリティカルシンキングのために】
【談合政治はおわりにしよう】
「かつてベ平連の方々は, デモの際, 花一輪を持ち寄って, 警護に来た警察に渡そうとしたそうですね. ……ボクの考え方も, Uさん, Hくんの考え方も(いずれも会食参加者), ベ平連には近いですね」という投稿を載せたことから, それを読んだ人から, 冒頭のような「ベ平連が警察と仲良し?」という投稿が前記「談話室」に寄せられたのだった. 私は, この質問について, そういう事実はまったくなかったと回答するとともに, ベ平連と警察との関係などについて, 詳しい資料をつけて解説をした. Kさん自身からも, ベ平連について間違った理解をしていた, と訂正のメールが寄せられた. 【秋の反戦共同行動に向けて - WPNの成果と問題点 吉川勇一 2003.08.05】
名称では多少遊びもした.68年10・21の行動で新宿に騒乱罪が適用されてから, 新宿駅周辺のデモは一切許可されなくなってしまったが, べ平連はそれを何とか破ろうと考えた. そしてその年の一二月二八日に計画したのが, デモの名の長さではギネス物ではないかと思うのだが, 「絶対にジグザグ・デモをせず, 交通を妨害せず, 商店に迷惑をかけず, 二列になり花束を持ってベトナム戦争反対・米軍タンク車通過反対を訴えるデモ」という正式名称をつけたデモの申請だった. 私たちは, 却下すれば行政訴訟に持ち込む用意をしたし, 市場からは大量の花を買ってきた. さすが公安委員会もこのデモは却下できなかったし, 許可条件には「二列縦隊のこと」となっていた. 大久保駅を出て二幸(今のスタジオ・アルタ)から新宿中央口までのデモで私たちは花を道行く人に配ったほか機動隊にも手渡した. こうして新宿でのデモの全面禁止は「フンサイ」された. - 『市民運動の宿題 - ベトナム反戦から未来へ』(思想の科学社 1991/09 p.148) 初出『週刊読書人』1990/01/12-06/18「新戦後史の現場検証『べ平連』」
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